Wewill
カルチャーを知る

独立自尊 ──
Wewillのカルチャーの正体

4人のメンバーの言葉から読み解く

黒野浩大
中村忠彦
濵中省吾
石田優香
Wewillのメンバーと話していると、ある言葉が繰り返し出てくる。

「独立自尊」。

福沢諭吉の言葉に由来するこの概念を、Wewillは組織の設計原則として採用している。ただし、これは壁に貼られたスローガンではない。日々の仕事の進め方、キャリアの築き方、顧客への向き合い方、マネジメントのあり方。あらゆる場面で、このカルチャーが具体的に機能している。

ここでは、4人のメンバーの言葉を横断しながら、「独立自尊」がWewillの中で何を意味し、どう実装されているかを描く。

Members in this article

黒野浩大

黒野浩大

COO

中村忠彦

中村忠彦

CS課 課長

濵中省吾

濵中省吾

PMO責任者

石田優香

石田優香

アソシエイト

独立自尊は、3つのレイヤーで実装されている

「独立自尊」を一言で言えば、「自分の身を自分で支配し、他人に依存しない」こと。しかし、実際の組織の中でこれがどう機能するかは、もう少し解像度を上げて見る必要がある。

Wewillにおける独立自尊は、3つのレイヤーで組織に組み込まれている。

01

判断の自律

仕事の進め方

Wewillでは、上司から細かく指示が降りてくることは基本的にない。 顧客の課題を発見し、解決策を考え、実行する。この一連のプロセスを、各メンバーが自分の判断で動かす。「どうすればいいですか?」ではなく、「こうしようと思いますが、いいですか?」が基本の姿勢だ。 COOの黒野浩大は、Wewillを「自分の人生を自分で回したい人にフィットする場所」と表現する。言われたことをこなすのではなく、自分の得意分野を活かして価値をつくりにいくことが求められる環境だと。黒野自身、自分のパフォーマンスが最大化される形に働き方を設計している。時間の使い方も、コンディション管理も、自分で決める。 CS課課長の中村忠彦もまた、「独立自尊」の精神からブレなければ、働き方も価値の出し方も自分で決めて進められると語る。中村は思ったことを遠慮なく意見として出すタイプだが、同時に周囲の意見を踏まえて最適解を探すスタイルでもある。「対話しながら自分の考えを形にしていける環境」が、自分の強みを活かしやすいと感じていると言う。 判断の自律は、裏を返せば「自分の判断に責任を持つ」ことでもある。中村は課長になってから、会社全体に関わることにも遠慮なく意見を伝えるようになった。その理由を、「Wewillが失敗したら自分のせいでもあると思っている」と語る。自律とは、権利であると同時に責任だ。
02

キャリアの自律

成長の方向は自分で決める

Wewillでは、キャリアパスを会社が一方的に決めない。 PMO責任者の濵中省吾は、このことを具体的に語っている。Wewillでは、ジョブディスクリプションや給与テーブルが社員に共有されていて、自分が目指したいキャリアを自分で設計できると。「将来は税理士に挑戦したい」「プロジェクトマネジメントを習得したい」など、明確なイメージを持って入社しているメンバーも多い。 濵中自身がその実例だ。総合化学メーカーの研究職を17年務めた後、バックオフィス未経験でWewillに入社。アソシエイト業務からスタートし、入社1ヶ月で会計ソフト導入プロジェクトの主担当に。2年半でPMO責任者まで到達した。この成長曲線は、大きな組織では得られないものだと濵中は語る。自分の腕を磨いた分がきちんと人事評価に反映される環境がある。 アソシエイトの石田優香のケースも象徴的だ。営業事務から職業訓練校を経て税理士法人Wewillに入社し、株式会社Wewillに転籍。産育休から復帰後は時短勤務で5社の顧客を担当している。フルフレックス制を活用し、月前半は1日8時間、後半は1日2時間という柔軟な設計で、育児と業務を両立している。この働き方は誰かに指示されたものではない。自分で設計したものだ。 キャリアの自律は、「好き勝手にやっていい」という意味ではない。濵中はPMOの立場からメンバーとの個別面談を通じて、それぞれが目指すキャリア像や得たいスキルをヒアリングし、最適なプロジェクトにアサインしている。なりたいキャリアに向かって必要なピースを一緒に見出し、うまく馴染めるまでサポートする。自律は放任ではなく、意図的な支援とセットで機能する。
03

価値提供の自律

顧客への向き合い方

Wewillのコンサルタントは、顧客から言われたことをそのまま実行する存在ではない。 顧客にとって何が最善かを自分で考え、時にはCFOやCEOに対しても自分の意見を述べる。黒野は「お客様の役に立ちたいという思いが、すべての源泉」と語る。このシンプルな動機を、自分の判断で、自分の方法で、実行に移す。それがWewillにおける価値提供の自律だ。 石田のキャリアの出発点にも、この姿勢が表れている。Wewillで働き始めた翌月、顧客企業の経理担当者が急に退職することになった。石田がその業務を引き継ぐことになったが、いざ引き継ぎを受けてみると内容が複雑で、このままでは翌月以降同じようにできないと感じた。そこで石田は自ら、業務のすり合わせや整理の必要性を顧客に伝え、経理業務の設計・改善に踏み込んでいった。 指示されたわけではない。「このままではまずい」と自分で判断し、自分から提案した。入社間もないパートタイムの立場で、だ。この行動が、後にWewillのサービスの基盤になったと言われている。 中村もまた、顧客との関係において「柔軟性」を大切にしていると語る。「こうあるべき」はあるが、状況に応じて対応を変えながら、顧客とともに進む姿勢を意識している。顧客と本音で話し合い、課題解決に向けて同じ方向を向けていると感じられる瞬間が、最大のモチベーションだと言う。

独立自尊と「孤立」は、まったく別物だ

ここで、一つ重要な補足をする。

独立自尊は「一人で全部やる」ことではない。「相談しない」ことでもない。

石田が実習生としてWewillに来たとき、最も印象に残ったのは雰囲気の良さだった。実習生という立場上、自分は迷惑な存在ではないかと思っていた。質問するときもオドオドしていた。しかし、Wewillのメンバーは「質問してくれてありがとう」というスタンスで接してくれた。年齢や経験に関わらず、お互いの話を聞き、顧客にとって一番良い形は何かを追求している。個を尊重しながら同じゴールを目指している ── それが石田の原体験だ。

中村のマネジメントにも、この姿勢が一貫している。「課長の僕が言ったから正しいと思わず、それぞれが自分の頭で考えることを重視している」。週に一度のコンサルタント全員が集まる議論の場。日々のチャットでの相談がしやすい空気。中村は「意見をしっかり伝え、相手の意見もきちんと受け止める文化」がWewillに根付いていると語る。

濵中は「We will」── 社名そのものに込められた意味に触れている。メンバー一人ひとりの成長が、会社の成長にもつながる。だからこそ、独立自尊のカルチャーを受け継ぎながら、持続可能な成長サイクルを構築することが自分のミッションだと語る。

自律しているが、孤立していない。自分で判断するが、一人で抱え込まない。この両立が、Wewillのカルチャーの核心だ。

「シンプル・オープン・フラット・シェア」

独立自尊を支える4つの行動原則

Wewillでは、独立自尊を日常に実装するための行動原則として「シンプル・オープン・フラット・シェア」を掲げている。

Simple

業務もコミュニケーションも、余計な複雑さを排除する。SYNUPSに業務手順を定義する行為自体が、シンプルの実践だ。曖昧なものを明確にし、誰が見ても分かる状態をつくる。

Open

ジョブディスクリプションと給与テーブルが社員に公開されている。キャリアの「先」が見える透明性。フィードバックは誰に対してもストレートに伝える。上司に対しても同じ。

Flat

年齢や経験に関わらず意見を出し合える構造。「課長が言ったから正しいと思うな」。フラットは理念ではなく、日常の振る舞いとして機能している。

Share

知識も経験も独り占めしない。週1回のコンサルタント全員の案件議論。個人の知見をチームの資産に変換する装置としてのアカウントマネジメント。

この4つの行動原則が独立自尊を補強している。自律した個人が、透明でフラットな環境の中で知見を共有し合うことで、個人の力の総和を超えたチームの力が生まれる。

独立自尊は「入社前」からの選択

Wewillに入社したメンバーの多くは、入社前からある種の「独立自尊」的な行動を取っている。

黒野は、信用金庫の営業という安定した職を離れ、「人と同じでいいのか」という問いに従って転職を決意した。コモディティ化への危機感。自分のスタイルを貫きたいという衝動。それは独立自尊の原型だ。

濵中は、17年勤めた大手メーカーを離れ、まったく未知のバックオフィス領域に飛び込んだ。前職で体調を崩して休職し、復帰後に総務の仕事に出会い、バックオフィスの面白さに気づいた。自分の感覚を頼りにWewillという環境を見つけたと語る。

石田は、子育て中の社員への風当たりが強い前職の環境を見て、「ここでは子どもができた後に働き続けるイメージが描けない」と判断し、退職。職業訓練校で経理を学び直し、自ら道を切り開いた。

中村は、監査法人で「外部から数字を検証する」仕事よりも「会社の中に入って課題と向き合いたい」と考え、事業会社に転じた。さらにWewillで「可視化・定義化」という自分の価値観に合致する場を見つけた。

4人に共通するのは、「現状に違和感を持ち、自分の意思で環境を変えた」という事実だ。独立自尊は入社後に教育されるものではなく、もともと持っている志向性をWewillが引き出し、加速させる。

独立自尊が合う人、合わない人

正直に書く。独立自尊のカルチャーは、すべての人にフィットするわけではない。

合う人

  • 指示を待つより、自分で考えて動く方が自然な人
  • 自分のキャリアを自分で設計したい人
  • 顧客のために何が最善かを、自分の頭で考えたい人
  • 変化に対して不安よりも面白さを感じる人
  • フィードバックを率直にやりとりできる人

黒野の言葉を借りれば、「人と同じで良いのかな…と漠然と危機感を持っている人」。

合わない人

  • 指示が明確に降りてくる環境で安心する人
  • キャリアパスを会社に決めてほしい人
  • 一人で判断することに強い不安を感じる人
  • 変化よりも安定を最優先する人

合わないことは悪いことではない。組織のカルチャーと個人の志向は、マッチングの問題であり、優劣の問題ではない。

独立自尊は、どこに向かうか

中村はこう語る。「自立したメンバー同士が尊重し合い、高め合えるチームにしていきたい」。

濵中はこう語る。「独立自尊のカルチャーを受け継ぎながら、持続可能な成長サイクルを構築することが自分のミッション」。

独立自尊は完成形ではない。組織が大きくなるにつれて、このカルチャーをどう維持し、進化させるかが問われ続ける。型と自由の両立。自律と協調のバランス。少人数のスタートアップだから成立していたものを、スケールさせながら失わないこと。

Wewillはいま、その途上にいる。